ワイデックスリンクは、補聴器でより高い音質を実現するために設計された、
ワイデックス独自の新しいデジタル無線伝送技術です。
ワイデックスリンクは、DEX機器などの補聴援助機器から補聴器への音声伝送や、補聴器間での同期データの交換など、補聴器に新たな可能性を提供します。
この独自のデジタル伝送技術は、ワイデックスのワイヤレス補聴器シリーズである、WIDEX DREAMやWIDEX CLEAR以降の器種で採用されています。この技術は、多くの状況下でデータと音声信号の両方の伝送に使用されます。
WIDEXLINKの設計では、電力効率の確保も重要な課題でした。効率的なデータ圧縮方法や、特許出願中の高感度無線受信機の開発により、低い消費電力を実現しています。
安定性についてはいくつかの方法で実現しました。前述の音声コーデックや無線受信機の堅牢性に加えて、エラーを迅速かつ確実に検出して処理するチャネルコーディング技術によっても通信の安定性が実現しています。
現在、データやデジタルサウンドを転送するワイヤレス技術としては、Bluetoothが最も普及しています。しかし、Bluetoothは携帯電話業界向けに設計されたものであり、補聴器での使用においてはいくつかの欠点も存在します。
まず第一に、Bluetoothは非常に多くのエネルギーを必要とします。Bluetoothチップは非常に多くの電力を消費するため、補聴器業界では実用化が難しいとされてきました。
現在では、Bluetooth LEという低消費電流に対応した規格が登場しており、補聴器業界でも採用されつつあります。
もう一つの深刻な欠点は、標準的なBluetoothには、音声がBluetoothコーデックを介して伝送される際に、150m/sという高い遅延が発生することです。つまり、伝送された音は、部屋の中の直接音よりも150m/s遅れて耳に届きます。その結果、音のずれによるエコー効果が発生します。 さらに、この遅延が非常に大きいため、映像が音と同期していないように見えることがあります。
直接音と送信音の間の遅延による音響心理的な違和感
150m/sの遅延：重度のエコー効果。音声とテレビ映像が同期しない
30-40m/sの遅延：明確なエコー効果が発生し始める
10-30m/sの遅延：コムフィルター効果による鋭い金属音
0-10m/sの遅延：歪のない透明感のあるサウンド
10m/s以下の圧倒的な低遅延を誇るWIDEXLINKテクノロジーによって、歪みを最小限に抑え、エコーのない音質を実現しています。
